産学連携のコンソーシアム「みんなのサツマイモを守るプロジェクト-Save the Sweet Potato-」、加盟団体が続々増加、認知度拡大へ。
認知症や高齢化社会と共に向き合う~「福岡オレンジパートナーズ」の一員として、福岡市と目指す社会づくり~
※掲載内容は取材当時のものです。
プロジェクト概要
「福岡オレンジパートナーズ」とは、認知症になっても「自分らしく」暮らせるまちの実現を目指して、福岡市が設立した認知症について自主的に「知る」「考える」「つながる」「行動する」ためのコンソーシアム。認知症の人とその家族、企業・団体、医療・介護・福祉事業者、行政、オール福岡で構成されています。 welzoは、同コンソーシアム設立初年度の2021年6月より参画。どのような活動をしているのか、ともに目指す世界についてお二人にお話をお伺いしました。
welzoプロジェクトメンバー
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生嶋 拓也
HOME&GARDEN Division CONSUMER CONTENTS Dept New BIZ Development Sect
福岡市役所プロジェクトメンバー
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住田 篤
福岡市 福祉局 高齢社会部 認知症支援課
Q1 福岡オレンジパートナーズについて教えて下さい
住田さん福岡オレンジパートナーズは、福岡市が「認知症フレンドリーシティ」を目指すために、設立したコンソーシアムになります。政令指定都市として初めて、令和3年6月に設立し、既に、90以上の企業・団体にご賛同をいただいています。また、「福岡オレンジパートナーズ」設立と同時に、認知症の方により多くのチャレンジをしていただくため、日本で初めて、認知症の方だけが登録できる専門の人材バンク「オレンジ人材バンク」をつくりました。 この「福岡オレンジパートナーズ」は、認知症に関する勉強会や認知症の方とともに過ごすことを通じて、企業が認知症への理解を深め、認知症の方にやさしい商品やサービスを開発することや、認知症の方が自分らしく活躍する場を創ることを目指しています。
Q2 具体的な活動を教えて下さい
住田さん例えば、企業が認知症の方に商品モニターをお願いして、一緒に使いやすい商品を開発したり、研修の講師をお願いして、企業のお仕事に認知症の視点を取り入れる、といった活動を行っています。 認知症の方は、ご自身の経験を活かした活躍の場ができますし、もちろん報酬を得ることもできます。 具体的には、認知症の方の意見を聞きながら、ともに創った第一弾の商品が、まさにwelzoさんの「みんなにやさしい園芸用品」です。
Q3 第一弾の「みんなにやさしい園芸商品」にはじまりほかにどのような取り組みをされたか教えて下さい
生嶋これまで、オレンジパートナーズの参画企業として、認知症フレンドリーな商品開発や当事者の方およびそのご家族も出席する勉強会への参加、オレンジ人材バンクに登録されている認知症の方に公園花壇のお世話をお願いさせていただきました。ご年配が活躍する場/機会をつくるために、公園の管轄組織と繋いでいただいたのは大きいです。
住田さんたしかに、生嶋さんから相談を受けて、ライフサポートワーカー(LSW)に相談、様々なアドバイスをもらい、一緒に取り組んでもらえる施設も紹介しましたね。また、認知症ケア技法「ユマニチュード®」講座を主催した際には、福岡市の公園、体育館職員だけでなく、welzoの社員の方にも参加いただきました。 昨年は、9月21日の世界アルツハイマーデーに合わせて、公園と体育館でオレンジガーデニングも実施しましたね。この取り組みも、生嶋さんに相談したらすぐに対応いただけたことがありがたかったです。
生嶋フットワークの軽さに定評があるんで(笑)。 活動自体、TV取材されるなど注目を集めたのですが、この取り組みは住田さんとのお電話の中でアイデアが生まれ、瞬く間に話が具体化し実現に至ったため、非常にスピード感がありましたね!どのような企画にすれば、より多くの方々に喜ばれるものになるか、実現のために抑えなければいけない関係者は誰か、そして実際の調整の部分まで住田さんに大変ご協力をいただきました。
Q4 印象的な活動や、反応を教えて下さい
生嶋公園の花壇をお世話する活動をしている中で、来てくれた高齢者や施設職員さんに言われた話が印象深いです。高齢者の方と話していると、昔は植物を育てていたけど、今は何もしていない。園芸に限らず、なにかしたいと思っても迷惑をかけるのでやれないとおっしゃっていました。ですが、公園での園芸活動のときは私が知らない花の名前を教えてくれたり、率先して花苗を植えてくれたりしており、とても楽しくイキイキとしておられました。施設の職員さんからも、その方は普段なかなか外出しないんだけど、今日は楽しみに来られています!という話を聞き、嬉しくなると同時にこうした取り組みをもっと加速させ、広めていきたいと感じました。
住田さん私も先日、総合体育館の職員さんから「最初は何のために、体育館で認知症の方を対象に園芸をやるのか、意味がわからなかった。頭の中がクエスチョンマークだらけだった」、「でも、最近は、少し遠回りをして、日々育つ野菜を見ることを楽しみにしている近隣の住民の方や、お店に陳列される前の野菜の実際の姿を子供に説明している親子など、作業中に多くの方から声をかけていただくことが多くなった」と言ってもらえました。
生嶋確かに、少しずつ知られている実感は、ありますね! 今ある、アイランドシティ中央公園、西部運動公園、福岡市総合体育館にある、らく楽ガーデンの取り組みに共感していただく方、期待を寄せていただく方と繋がり、輪が広がっています。LSWの方から、実際に自分たちも園芸を始めてみたいとご相談を受けることや、園芸に興味をお持ちの他の高齢福祉施設をご紹介いただくことがあります。
住田さん先日、認知症の方による園芸活動の見学に体育館を訪問したら、皆さん額に汗しながら、高齢者、中高年、親子連れ、まさに「まぜこぜ」な状況で、花の苗植えしていました。ふと見ると、認知症の方が、小学生に苗の植え方を教えている。小学生も汗だくになりながら、教えてもらったスキルをフル回転させ、無心にオレンジのマリーゴールドを植えている。とても素敵な時間が流れている。このように、自然と福岡市のいたるところで認知症の人と地域と人が交流している。そんなまちが、我々が目指している「認知症フレンドリーシティ」なんだろうなと実感した瞬間です。 福岡市総合体育館の職員から、「地域に根付く体育館として、認知症の方と地域の方が交流する場となっているのが、とても誇らしい」というお声をいただいたときは嬉しかったですね。
Q5 お互いに、一緒にやっていきたいこと、それぞれ目指すものを教えて下さい
住田さん展望というかPRになりますが、福岡市は認知症の皆さん・そのご家族にやさしい「認知症フレンドリーシティー」を進めていますが、その拠点となる認知症フレンドリーセンターを9月に開設します。 場所は、福岡市中央区舞鶴にあります「あいれふ」の2階です。 この場所では、認知症の方、またご家族同士が交流をしたり、ユマニチュード®という認知症の方に対するコミュニケーション技法の講座や認知症の当事者体験の共有の他、認知症の人にやさしい商品の展示などを予定しています。welzoさんの園芸商品も是非展示したいと思っています。 また、施設自体が、認知症にやさしいデザインを導入していて、これはみんなにとって優しいデザインですので、例えば小中学校の社会科見学で使っていただいたりとか、地域や企業の皆さんにもぜひ気軽に訪れていただいて認知症のことを知って、体験して、参加できる場所になればと期待をしています。
生嶋住田さんがお話しされたように、認知症の人も含め地域のあらゆる人が関わり合い、助け助けられる社会を創りたいです。その実現に向けて、福岡市さん、オレンジパートナーズの皆様、その他多くの関係者と果敢にチャレンジしていきたいです。 我々が向き合っている社会問題は、待ったなしの状況です。より良い社会の実現に貢献すべく、この取り組みの輪を大きく、そして超スピードで取り組んでいきます。
住田さんいつも、ご一緒させていただく認知症の方が「納得いく生き方がしたい」とお話しされていました。 「認知症になってしまった事を嘆きながら、少しずつ失われていく機能を見過ごしてしまうのは悲しいこと。流されて生活するのは辛すぎる。そう考え、『自分らしく生きてゆきたい』『何としてでも自分が納得できる生き方がしたい!』そう強く思うようになった」と。 認知症になったとしても、あきらめることなく、自分らしく安心して暮らせるまち「認知症フレンドリーシティ」を目指してこれからもオール福岡でチャレンジを続けていきますので、引き続きよろしくお願いします。
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